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平成30年度 第2回 授業研究会

平成30年11月15日(木)、県立太田高等特別支援学校において、北爪優香教諭による音楽の研究授業が、「合唱・器楽合奏~イメージをもって表現しよう~」という題材名で行われました。




(1)授業説明(北爪教諭)

 本時は文化祭に向けての最後の授業であり、これまでは音楽表現の技能に関する指導を中心に行ってきた。そのため本時では、鑑賞も取り入れながら楽曲の曲想の共通のイメージをもち、それを表現に生かせるようにしたい。曲想のイメージを表出する手段は言葉であるが、言葉を自由に用いることが困難な生徒への手立てとしてワードカードを使用する。イメージの共有活動を通し、共通のイメージをもつことで、本番に向けての意識を高め、気持ちを一つにして歌唱できることも期待している。グループ活動での生徒同士のやり取りなど、指導をしている側からは気付けない生徒の様子も踏まえてご意見を頂きたい。

(2)授業研究係より
 研究授業を観る「授業研究の視点」を授業者が本時の学習に合わせて設定し、授業研究係が提示した。研究授業後の授業研究では、各班でその視点に沿って協議を行った。

1.ワードカードを使用したことは、曲想のイメージを共有することに有効であったか。

2.曲想のイメージを共有したことは、曲想の特徴を掴んで工夫して表現することに有効であったか。

(3)授業の様子






(4)研究協議(一部抜粋)
・細かな支援をしており、自校でも実践していきたいと思えることが多くあった。
・ワードカードを使用することは有効ではあったが、自分の言葉で表出できる生徒も多かったと感じたため、自分でも考えられるようにする支援も必要だった。
・生徒の歌は、授業の最初から2曲の雰囲気が異なっていたので、ビデオに録画してそれを生徒が見ながら意見を出していってもよいのではないかと感じた。
・1曲ごとに、例えば「優しく歌う」という言葉が生徒から出た時点で試して歌い、実際の歌で何が違ったのかということや、何を変えたのかということをまとめていくなど、曲想のイメージと表現を結び付けながら学習していくことも考えられる。
・ワードカードに対して、事前に指導者が具体的に表現をして示すのも支援の一つだと感じた。
・それぞれのイメージに対して表現が実際に変化することに注目して指導を行ってもよい。
・指導者の身振り、表情、声掛けなどに無駄がない。
・グループの中で多く出されたワードカードを共通のイメージとするのはよかったが、それとは異なるイメージや少数のイメージを取り上げることで、さらに学習が深まると感じた。
・生徒自身が歌唱表現を工夫しているという意識をもてることが大切だと感じた。
・授業の最後に歌う際に、本時の授業を振り返りながら表現への具体的な言葉掛けを行っていたため、最初の歌とは全く異なる響きで歌えていた。

(5)指導・助言
 研究協議後の指導・助言では、群馬県教育委員会より
上原篤彦特別支援教育課課長、高橋玲特別支援教育課補佐)、島田聡高校教育課指導主事、狩野等特別支援教育課指導主事、本部会より大熊信彦副部会長、上田裕信副部会長、松村正史副部会長から、それぞれ今後の参考となる貴重なお話を頂いた。
詳細は研究紀要を参照。

(6)参加者(敬称略)

上原 篤彦(教育委員会) 清水 郁代(吉井)    大熊 信彦(太田女子)  上田 裕信(太田東)

松村 正史(桐生特支)  高橋 玲(教育委員会)  島田  聡 (教育委員会)   狩野 等(教育委員会)

牧野 勇(前橋東)    中澤 玲子(高崎北)   勝山 英城(万場)    兒玉 理紗(高崎女子)

橋詰 詩織(太田女子)  中村 悦子(聾学校)   前島 律子(あさひ特支) 川上 寛子(玉村)

野口 瑞穂(大間々)   伴野 和章(太田東)   大小原美幸(高高特支)  須田 諭美(吉井)

内林 美里(伊高特支)  後藤 順子(前橋南)   引田 麻里(市立太田)  藤川あさみ(伊勢崎清明)

車﨑 優香(県立伊勢崎) 北爪 優香(太田高特支) 坂本 将(館林女子)

文責:坂本 将(館林女子)