令和元年度前期事業報告

事業報告

令和元年度夏季研究会

令和元年度夏季研究会

日 時  令和元年8月19日(月)9:30~16:30

 会 場  群馬県立吉井高等学校 演奏室

 

県内様々な校種の幅広い年代の先生方30名にご参加頂き、新しい時代で求められる芸術家(音楽)における「資質・能力」及び「見方・考え方」について、講義や実践、協議とバラエティに富んだ研究会を実施しました。

 

1 報告・発表 令和元年度伝統音楽指導者研修会に参加して

「令和元年度伝統音楽指導者研修会」に参加した富岡高等学校金田知子教諭と安中総合高等学校富岡恵美教諭から研修会の報告をしてもらいました。「群馬県のように教員が集まって研究会を開くことが他県では少ないことがわかった。このような報告会で内容が共有できてありがたい。」と語ってくださいました。指導者研修は県からの派遣で参加しているので、成果を発表することが求められています。その趣旨に沿った内容でした。

 

2 「見方・考え方」から読む新高等学校学習指導要領

群馬県教育委員会高校教育課島田聡指導主事を講師としてお招きし、「見方・考え方」から読む新高等学校学習指導要領の内容でご講義いただきました。「そもそも、学習指導要領とは、全国どこでも一定水準の教育を受けることができるようにするためのものである。授業レベルで考えると、レシピのようなもので、これまでの経験から読まなくてもつくることができる、が、読んでつくることで、いろいろな味が再現できる。まずは読んで、その理念や方向性を理解して、その上で先生方の個性や独自性を発揮されるといいのではないかと考える。」と話されました。移行期間であるこれからの3年間が非常に重要であることを説いてくださいました。

 

3 授業演習①

新学習指導要領に向けたギターを用いた授業実践ということで、桐生南高等学校鈴木香奈子教諭による提案授業をしていただきました。ギターの授業では、1時間目にギターの種類の違いやクラシックギターの魅力について学習し、基本的な旋律が弾けるようになったり、TAB譜が読めるようになったりした上で、2時間目の授業として「きらきら星」を自分の理想の音色で演奏しようということの内容を提案してくださいました。Aグループ:右手の指の使い方、Bグループ:右手の力の使い方、Cグループ:左手の指の使い方、Dグループ:左手の力の使い方の4つの部分に分けて理想の音色で演奏する奏法を研究しました。ジグソー法を用いたエキスパート活動を行い、それぞれが研究した奏法を教え合い学び合う授業実践を体験することができました。

 

4 授業演習②

新学習指導要領に向けてギターを用いた授業をAEグループに分かれてグループ演習しました。現在使用している教科書から、高校生の音楽Ⅰ(教育芸術社)「いつも何度でも」を題材とした模擬授業、Tutti音楽(教育出版)「ソナタK331によるギター二重奏」の題材を9時間で計画したものなどを発表しあいました。グループでギター練習し、美しい音色のアンサンブルの模範演奏するなど、音楽の教員が集まったからこそ出来る音楽や授業提案がそこにはありました。日々の教科指導や授業を通して、普段悩んでいることを解決するヒントになるような様々な発見があり、午前の講義や午後の提案授業から実践研究に結びついた時間となりました。

 

5 まとめ

今回の夏季研究会では講義を通して新学習指導要領の理解を深め、指導者研修の成果を共有しあいながら、実践的な授業作りの研究に結びつけることができました。提案授業をきっかけに参加した先生方の演習が深まり、音楽活動の充実に繋がる有意義な時間を共有することができました。参加した先生方の活発な活動によって手作り感あふれる実りある研究会になりました。詳しくは研究集録をご覧ください。

文責:井上春美(藤岡中央)

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