2017年7月の記事一覧
群馬県高等学校芸術祭音楽部門団体演奏会
本年度は新たな試みとして、合唱及び器楽演奏を専門分野とする方をそれぞれ1名ずつ招聘し、2名の先生方から講評をいただいた結果、出演生徒はより充実したアドバイスを受けることができました。特に夏のコンクールに向けてのよい機会となり、意義のある演奏会となりました。また、コンクールを意識しない選曲をする団体もあり、その演奏は演奏校の想いが伝わるものでありました。いずれの団体も音楽に対する真摯な態度を感じる演奏でしたが、演奏技術の向上という点でも目を見張るものがありました。吹奏楽の部では各校の演奏力はいずれも優れたものであり、群馬の演奏レベルは着実に上がってきていると感じさせました。
○ 器楽(和太鼓)の部
1 群馬県立渋川特別支援学校
烈風
○ 吹奏楽 午前の部
1 群馬県立伊勢崎高等学校 指揮 前田 英一
セルゲイ・モンタージュ 作曲 鈴木 英史
2 群馬県立高崎高等学校 指揮 西村 淳也
弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」より 作曲 L.ヤナーチェク
編曲 西村 淳也
3 利根沼田学校組合立利根商業高等学校 指揮 小川 唯佳
白墨の輪へのオマージュ ~グルシェの愛~ 作曲 福島 弘和
4 群馬県立前橋西高等学校 指揮 朝倉 康雄
梁塵秘抄~熊野古道の幻想~ 作曲 福島 弘和
5 群馬県立富岡高等学校・群馬県立富岡東高等学校 指揮 米山 伊織
さくらの花が咲く頃 作曲 真島 俊夫
6 群馬県立前橋高等学校 指揮 東 喜峰
LET IT BE 作曲 J.レノン&P.マッカートニー
シング シング シング 作曲 L.プリマ
編曲 岩井直溥
7 群馬県立館林女子高等学校 指揮 坂本 将
眠るヴィシュヌの木 作曲 樽屋 雅徳
8 群馬県立前橋女子高等学校 指揮 笠原 新一
ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~ 作曲 福島 弘和
9 高崎健康福祉大学高崎高等学校 指揮 吉田 宏昭
マーチ・シャイニング・ロード 作曲 木内 涼
ディスコ・キッド 作曲 東海林 修
○ 合唱の部
1 群馬県立吉井高等学校 指揮 須田 諭美
四つのイタリアのマドリガルより 作曲 Z.コダーイ
「愛を抱くものよ」「美しいかごから」
2 群馬県立藤岡中央高等学校・群馬県立西邑楽高等学校 指揮 井上 春美
Aveverum 作曲 F.プーランク
CIROKA 作曲 Z.コダーイ
ほたるたんじょう 作詞 くどう なおこ
作曲 木下 牧子
3 東京農業大学第二高等学校 指揮 原 鏡
星屑の街 作詞 安岡 優
作曲 北山 陽一
蕾 作詞 小渕 健太郎
作曲 小渕 健太郎
4 群馬県立太田女子高等学校 指揮 多田 あやか
君が君に歌う歌 作詞 E.ウッドストック
作曲 大島 ミチル
5 群馬県立渋川女子高等学校 指揮 荒木 奈都子
無伴奏女声合唱組曲「浮舟」より 匂宮 作曲 西村 朗
~講師プロフィール~
土田 豊貴(つちだ とよたか)
1981年、東京生まれ。桐朋学園大学音楽学部・カレッジディプロマ作曲科修了。2010年、女声合唱とピアノのための「夢のうちそと」で第21回朝日作曲賞を受賞。第81、83回NHK全国学校音楽コンクール・スペシャルステージの編曲を担当。近年、合唱曲を中心に多くの委嘱作品を手掛ける傍ら、コンクール、合唱祭、講習会等の各種審査員、講師を務めている。近作には女声合唱・笙・ピアノのための「牡丹一華」、女声合唱とピアノのための「フモレスケ」、無伴奏混声合唱のための「あなたのために歌うべく」等。これまでに作曲を法倉雅紀、鈴木輝昭、指揮を故・岡部守弘、高関健、ピアノの三輪郁の各氏に師事。「THEATRE EN VOIX」同人。
松下 裕幸(まつした ひろゆき)
東京芸大を経て1993年群馬交響楽団に入団、現在チューバ第一奏者を務める。第6回日本管打楽器コンクール第3位、国際ユーフォニアム、チューバ札幌大会ソロコンクール第2位にそれぞれ入賞。2013年に鈴木織衛指揮群馬交響楽団とヴォーンウィリアムズ作曲のチューバ協奏曲を共演、好評を博す。
これまでにチューバを、河口安伯、安元弘行、大石清、稲川栄一の各氏に師事。参加者(敬称略・順不同)
廣澤秀伸(前西) 大熊信彦(太女) 松村正史(桐特) 清水郁代(二葉特) 鈴木香奈子(桐南)
黒岩伸枝(高崎) 増尾和俊(太田) 酒井佑香(渋特) 前田英一(伊勢崎) 西村淳也(高崎)
小川唯佳(利根商) 朝倉康雄(前西) 米山伊織(富岡) 東 喜峰(前橋) 坂本 将(館女)
金田英樹(前女) 春山貴子(前女) 吉田宏昭(健大高崎) J・バドリック(中央中等)
青栁 亮(桐女) 金井 優(藤中) 牧野 勇(前東) 饗庭麻里(市立太田) 伴野和章(太東) 飯嶋 肇(渋女) 松本誠仁(太女) 須田諭美(吉井) 戸松久実(吉井) 矢嶋正則(大泉)
小川一郎(館林) 井上春美(藤中) 根岸玲恵(西邑楽) 福田 望(東農大二) 中畑香映(太女) 多田あやか(太女) 荒木奈都子(渋女)第2回授業研究会
平成29年度第2回授業研究会
平成29年7月6日(木)に群馬県立高崎高等特別支援学校の 目崎 ちひろ 教諭により、第2回授業研究会が行われました。生産園芸科2年3組の生徒8名によるミュージカル合唱~登場人物の気持ちを歌で表現してみよう~を教材とした歌唱指導が行われました。
(1)授業説明(目崎教諭)
生徒数8名。農業中心の学習をしていて、意見は沢山出るクラスである。今日は大勢の人がいて緊張したようだ。うちに籠もる生徒もいたが、ピアノ披露をした生徒もいた。週2時間で、今回はクラス単位での授業である。前時までに登場人物の感情を考えている。劇団四季のCDを鑑賞させ、自分たちはどのように表現するべきか考える。観点を3つ提示する。セリフで読む意味は、歌にすると音程などに気が取られてしまうためである。スモールステップを踏ませる。表情カードを用いている。「嬉しい」、「楽しい」、「悲しい」、「怒る」の4種類。
セリフになるのが難しかった。真ん中の生徒に引きずられた印象はある。今の段階では、セリフにするのは早く、もっと時間を取っていくべきだと感じた。表情を読み取るのが難しい中、表情カードは手助けになる。ツールが何も無い状態より、はるかに良い。これからも継続使用していくつもりである。
自立活動について。どの教科でもこれを取り入れている。コミュニケーション能力の向上を図る役割もある。自分で答えを見つけるのは難しいが、CDや教員の見本を見て考えることによって、生徒にとってもわかりやすくなった。観点をしぼることや、選択肢を与えることで手掛かりになる。
合唱をひとつにまとめていくために、どのような手段を用いているのか教えていただきたい。
(2)研究協議
授業前に研究係から以下の2つの視点を提示し、どちらかの視点をグループで選択し、各校の現状等も踏まえながら協議を行った。
【授業研究の視点】
1、歌唱表現を深める手段として歌詞を台詞として読んだことは有効であったか。
2、曲想をイメージとして共有するために、表情カードを使用したことは有効であったか。
(3)指導・助言等
① 島田 聡 先生(群馬県教育委員会高校教育課指導主事)
歌唱表現を深めるために十分有効であった。台詞として読むことが、歌詞の内容を感じ取るきっかけになっていた。命令調のところは音を切る、など教員の補助はあれど生徒がそれを導いていた。半数で歌うことで、自分たちの演奏を客観的に聴く姿勢が癖づいていく。各生徒に合わせた評価、いわゆるルーブリック評価。正確な評価をするためにも普通高校でも行うべきものである。
先生と生徒の友好関係ができているため、やりとりに無理がない。先生の発問に対して、教員の「なぜ大きく歌うの?小さく歌うとどうなる?」という問いかけに対して、「楽しくない!」と生徒が発言するなどの場面が見られた。どのように聴かせたいか、そのためにはどのように演奏したらよいか、という思考の流れになっていく。観点を出さずに、どのように演奏されているか考えさせCDを聴かせても良いのではないか。また、生徒の意見を掘り下げる場面も題材のどこかであるといい。考えたことをワンフレーズでも良いからすぐ再現してみる。そうすると、生徒が振り返りやすい。暖かい雰囲気の中で、合唱が仕上がっていく様子が見て取れた。
② 藤生指導主事
黒板左端のカードに提示されたルーティンワークの大切さや、めあての明確な確認。大いに評価できる。先を見通せないことに不安を抱く生徒が多いため、このような配慮は大切である。先生と生徒の関係性に関して。先生が「話してもいいですか」と言って生徒の集中を促した。集中力が散漫になりやすい生徒にはしっかりと示すことが必要である。
表情カードに関して。言葉だけではなく、文字・イラストなどを用いることでイメージがしやすくなる。また、ぼんやりしていたことが明確になるため有効である。選択しなかったものを外すのも整理されて見やすい。板書等の視覚情報を整理することも重要である。音の高低の認識に関して。小鳥の曲などを用いて、鉄琴を黒板に貼る。「低いと変だね」などの気づきをイメージ化させる等の手立ても有効である。大切なのは、どの曲を取り上げるか、どれが最も有効なのか選定すること。
生徒たちは就労が目前である。自分を表現できる力、自己決定力をつけることが必須。音楽はその面でもとても大切である。音楽を通して社会人としての力を育ててほしい。最後に、男女で「さん」「君」を言い分けることはこれからどうなのだろう。
(4)参加者(敬称略・順不同)
廣澤秀伸(前橋西)上田裕信(太田東)大熊信彦(太女)清水郁代(二葉特)朝倉康雄(前橋西)勝山秀城(万場)小川唯佳(利根商)
斎藤真里奈(沼女)髙木佳子(伊勢崎清明)住谷伴(前商)坂本将(館女)饗庭麻里(市立太田)岡松亮(館林高特)前島律子(あさひ特)
今井なおみ(前橋高特)西田えりか(赤城特)大沢知栄(聾)木部誠(しろがね特)北爪優香(太田特)力石泉(二葉高特)
須田玲子(渡良瀬特)飯島千尋(渡良瀬特)井上春美(藤岡中央)藤嶋啓子(関学附)東喜峰(県立前橋)千明昇平(西邑楽)
(個人情報保護の観点から授業風景の写真の掲載は見合わせました)
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